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森からはじまる物語

magonote
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 2004年7月 梅雨が明け木々の青々とした葉が初夏の日差しを照り返す季節に、孫の手ブルーベリー園は木更津の地にその第一歩を踏み出します。

 しかし生き生きとした季節とは対称にその歩みは凄惨なものとなりました。6200坪の土地は不法投棄のゴミに溢れ、長年放置された樹々は奔放に生い茂り、横たわる倒木が行く手を塞いでいました。

 現地を訪れたスタッフは驚愕します。そこで立ち竦む彼らに住民が声をかけます。この土地が荒れ果てているため野生動物による被害が後を絶たない。不審者による犯罪も度々発生している。今まで何人もこの土地を何とかしようとやって来ては、逃げ出すことの繰り返しだ。いい加減にして欲しい。

​ 平均年齢が60歳代になろうかというスタッフ達にはあまりにも厳しい環境に、一人また一人と農園を去って行きます。農地の開墾というよりは密林を切り開くような作業が延々と続き、ついにスタッフはリーダー一人を残すのみとなりました。

 彼の孤独な戦いは季節が一回りしても終わることはありませんでした。しかし。自身の仕事を人に預け、毎日早朝から日没まで休みなく農園に通い続けるうちに、徐々に農園はその姿を変えていきます。

 農園の樹々が姿を整え太陽の光がようやく土地を明るく照らしたころ、以前のスタッフが彼のもとを訪れました。深々と頭を下げるスタッフと笑顔で迎え入れる彼。それから少しずつ彼のもとに人が集まりだします。

 農園の土地が乾くにはまだまだ時間がかかるある年の梅雨の頃、彼らは最後の難関に辿り着きました。山から浸みだした水が巨大な水たまりを作り、緑色の泥水が桜の大木を取り囲んでいます。排水の作業を進めるには最悪の条件下だったため、今期の開墾作業の中断を提案する彼にスタッフはこう言います。ここまで来たんだ。皆で一気にやり抜こう!・・・

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